口語訳
この花の一枝の中には、私の言いたいたくさんの言葉がずっしりとこもっています。 おろそかに扱ってくださるなよ。
《万葉集の選定》
万葉色役術鑑定士:岩崎智子
《口語訳》
萬葉集:釋注四(伊藤博著・集英社文庫)

親 色
桜(さくら)
桜は、紅染 (べにぞめ)の中で最も淡く、桜の花弁のような赤みを含んだ紅色です。
桜色の初出として、古今和歌集 に「桜色に衣は深く染めて着む花の散りなむ後の形見に」とあります。
桜色を意味するチェリーは、さくらんぼの果皮の色に由来する濃い赤色で、日本の伝統色の桜色とはまったくの別の色になります。
子 色
菫(すみれ)
菫は、やや青みの濃い紫色で、その色名は平安時代から使われていましたが、バイオレット(訳語)のハイカラな響きが若い女性の心を捉え、明治期に改めて流行しました。
当時の浪漫主義文学の与謝野晶子らは、星や菫によせて恋などを詠うので、星菫 (せいきん)派詩人と呼ばれたりもしました。
《説明文の参照》
「日本の色辞典」 (吉岡幸雄著・紫紅社)
「日本の伝統色」 (irocore.com)