口語訳

天智天皇から送られた歌に対する返歌〜秋山の木の葉がくれに流れる水のように、姿は見せませずとも、天皇がお思い下さる何倍かを、私はお慕い申し上げることでしょう。

《万葉集の選定》
万葉色役術鑑定士:岩崎智子

《口語訳》
万葉集:全訳注原文付(二)(中西進著・講談社文庫)

親 色

露 草(つゆくさ)

露草は、早朝に咲く露草の花にちなんだ明るい薄青色のことです。

花や葉の汁を布に摺りつけて染めたことから着き草(古名)と呼ばれ、月草や鴨頭草とも書きます。

万葉の時代には摺染 (すりぞめ)にされていましたが、現在でも友禅や紋染の下絵作業に用いられています。

簡単に脱色できる特性から「うつろう」や「消える」などに掛かる枕詞 にも使われていました。

鈍色は「にぶいろ」とも呼ばれ、平安時代から近しい人に不幸があったとき、喪に服す気持ちを込めて着用されていました。

故人との繋がり(妻の場合は三ヶ月・夫の場合は一年間)が深いほど、濃い喪服を着ることとなっていました。

子 色

千 草(ちぐさ)

千草は、僅かに緑みを帯びた明るい青色です。

色名の千草とは鴨頭草 (つきくさ)から転訛した名で露草のことです。
藍染による浅葱色と花色の間の色調で、多くは重ね染の下地色として用いられました。

江戸時代の染色指南書である手鑑模様節用には「京師にてそらいろを ちくさいろといふ」とあり、主に近畿地方で使われていと思われます。

《説明文の参照》
「日本の色辞典」 (吉岡幸雄著・紫紅社)
「日本の伝統色」 (irocore.com)

  • 闇[万葉集万葉色]
  • 空[万葉集万葉色]
  • 水[万葉集万葉色]
  • 草木[万葉集万葉色]
  • 光[万葉集万葉色]
  • 実[万葉集万葉色]
  • 火[万葉集万葉色]
  • 花[万葉集万葉色]
  • 土[万葉集万葉色]
  • 黄金[万葉集万葉色]
  • 月[万葉集万葉色]
  • 聖[万葉集万葉色]