《日本空気教》

空気教の誕生

Logical Explanation

日本人の宗教観

自然に八百万の神を見出す日本人の心性は
近代において
異質な外来思想(仏教・儒教・キリスト教)を
棲み分ける歴史を経ており

明治以前には
宗教という言葉さえなく

現在においては
国家全体を代表し得る宗教が存在するとは
言い難い状況であるにもかかわらず
個人各々に
多神多仏の心情を見い出せない訳ではなく
宗教の範疇に収まるか否かは別として
日本人が
日本人として生き永らえている事実は
そんな力を携えた得体の知れない何かが
日本の地に棲み着いていたことを
物語っているように思えてなりません。

しかし〜そのような状況において
明治維新の後
文明開化、殖産興業、富国強兵etc...
これら国民統治のための政治的思惑から
信仰の基盤でもあった
素朴な民衆の精神は根絶やしにされ
天皇を唯一の現人神とする
国家神道が確立されようとしていました。

ただし〜そこから歴史の方向は変わり
神道指令による
国家と神社組織の接点の解体
さらには
詔書における昭和天皇の人間宣言によって
信心の芯となるべき対象が崩されてしまい
戦後から今日に至るまで
自律的な個の主張の行先を見誤ったまま
日本人の連帯意識(労働共同体)は
土地占有で繋がる村落社会から
経済活動を基盤とした会社社会に
大きく舵を切り始め
所得倍増計画を核としながら
効率性、即効性、利便性etc...
終身雇用、年功序列、護送船団方式etc...
これらの性質や制度が組込まれた
成長至上主義(拝金至上主義)へと
変貌の一途を辿ることになります。

高度成長期

こうして具現化された主要な施策は
◉エネルギー政策の転換
 (石炭→石油&原子力)
◉公共インフラと交通網の整備
 (新幹線・高速道路・大型ダム)
◉消費の拡大
 (住宅・自家用車・家電製品)
◉大規模イベントの実施
 (東京オリンピック・大阪万博)
◉証券市場の活性化etc...
すべて真っ当に評価されるべきものですが
それらの価値を貶める意図はないにしても
⦿環境破壊⦿公害訴訟⦿郊外化⦿過疎化
⦿犯罪の拡散化⦿少子高齢化⦿教育制度
⦿経済格差⦿原発問題etc...
後を追うようにして
様々な諸問題も出来してしまいました。

日本人の行動様式

これら一方向の流れは慣性の法則のごとく
平成から令和に至っても
日本人の自然観を蘇らせることなく
僅かに生き残った和を尊ぶ精神でさえ
その活動領域は
地域から個人並びに社会へと分離し
終いには
両極で対峙する
個と公の融合を促すかのように
歴史の方向感覚を見失った国民全体が
厳格なる法の支配ではなく
あるいは
独裁的な人の支配でもなく
何となく吸引してしまった
巷間に漂う空気に翻弄され
何となく同じ方向へ流されてしまう
奇妙な行動様式の素地が完成します。

その体裁は
教祖不在の中空構造を成し
それ故
公の威を借る布教者(既得権者)たちは
社会に生え伸びる利権の兆しを摘み始め
邪な空気を吸わされる
信心深い信徒(庶民)たちは
自らの思考を
権力者や偽善者に託し始めます。

こうした機会を見逃すまいと
善と悪を取り違えた例の何かが
妖怪となって目を覚まし
現代の日本人の生き様や行動様式を
「日本空気教」として
熟成させるに至ったのです。

日本空気教