死(し/なくなる)
なくなるとは〜ゆらぎが消滅することであり
気が命のもとを離れ去ることを死と言う。
生きるということは
いつか死ぬということであり
死に至れば愛も消えてなくなり
命は魂の脱け殻となる。
他の道を選択したかもしれない
自らの無限の可能性に死を宛てがいながら
私は今ここに存在する。
死は生きている人間の観念でしかなく
死に抗う意味付け(前世・霊魂・不死etc...)
など不要である。
「あなたは狸の生まれ変わりです」なんて
誰かに言われても
其奴はどこぞの狸である。
偶々この世界に生まれ来たならば
生の終わりに死が待ち構えていればこそ
私は命の尊さを知る。
偶々この世界で死に絶えるならば
桜花のように儚い命は寧ろ美しくもあり
私は死を受け入れて自らの人生を終える。
「無始無終」(むしむじゅう)
帰らぬ待ち人であれ
門扉の開く音が聞こえ来れば
そんな時〜初冬を告げる悪戯な木枯らしは
私の大切な誰かにもなるだろう。